元気のないブログ

いろいろあって元気のないゲイのブログ

2021年11月7日(日)

お通夜と葬儀を終えて、終えてっつーか途中で抜けて博多へ行き、白い服を着た友人たちと公園でスパイラルダンスという踊りをして、友人宅で夜を明かして、博多バスターミナルマクドナルドでこのブログを書いている。休日なので、朝からひとが多い。これから移動するのかと思うと動悸がする。

 

いろいろと書きたいことはあるので、順を追って少しずつ書いていこうと思う。まず、お通夜とお葬式。4〜5年ぶりに会う親戚たちとの再会の連続で、ガリガリとメンタル削られるわたくし氏。再会して間もなく急に抱きついてこられたり、「なんかふくよかになったね?」と言われたり、「いま一人暮らし?」とナイーブな質問をされたりと、善逸の「雷の呼吸 一の型」か? ってくらいの速さで間合いに入ってきてザクっと斬られるこの感じ!!!!! 親戚のおじさんだ!!!!!!!

 

マジでくたばってほしい、マジで無理と思っていたら、「今日はお酒が入ってないからマシなほう。昨日(お通夜の前夜)とか明日(お葬式のあとの食事会)がヤバい」と妹に言われ、戦慄するわたくし氏。

 

早く帰りたい、早く帰りたい、早く帰りたい……。

 

おじさんたちがもうどうしようもないひどさな一方で、いとこたちはみんな大人になって、実に頼もしい感じになっていた。ブライダル会社に勤めていた経験のあるいとこは、会場全体のマネジメントみたいなことを担当して、いとこたちに指示を出していたし、リハビリテーションを仕事にしている妹は、来式された高齢者へのサポートが完璧だった(素人目だからわからんけど、たぶん)。ほかのいとこたちもがっちり連携をとって動いていて、わたくしはただただ「うひょー」となっていた。WEB系の仕事で得た経験は、何も活かせねえ!!!

 

せめて頼まれたお茶出しの仕事だけはしっかりやろうと思って、実際、それなりにしっかりやったと思う。途中、「お茶出しは女性がやったほうがいいんじゃない?」と何度か言われたが、無視してやりきった。「ここだけは何があっても守りきるよ!!!」と、ひとりで防衛線を敷くような気持ちだった。ここ破られたらもうわたくしたちの負けだから!っつって。

 

防衛線をひとりで守る以外、特に何もできることがないわたくしに、急にSSランクのクエストが舞い込んできたのは、葬儀が始まる約1時間前だった。「ねえ、この色紙におじいちゃんの似顔絵描いてくれない? 棺に入れてあげたくて」と言い放ったいとこの清らかな笑顔が忘れられない。「Dランクのクエストやってみない?」みたいなテンションで言ってますけど、それ、SSランクっすよ。1時間程度で、故人の似顔絵を描けと。装備は2B鉛筆たった一本。うまく似せられなかったら、残念な感じになること必至。「ごめん。いまは気持ちの整理がつかない」とかテキトーなことを言って断れば良かったものを、なぜか受託してしまった……。なんかうまく説明できないけれど、やったほうがいいような気がしちゃったんだよね。

 

全集中!!! たぶん大学受験の二次試験で描いた石膏像デッサン以来の集中力を発揮していた。いや、3時間で石膏像を描くよりもずっと難しい課題かもしれない。それでも、20年以上ずっとお世話になったおじいちゃんだ。きっと描ける!!!! そう信じて、描いた。途中、親戚たちが入れ替わり立ち替わりやってきて、「すげ〜」とか「これ描き始めてから何時間目?」とか「仕事はいま何しよると?」などと聞いてきた。ちゃんと対応したかったけど、さすがに優先順位つけないと完成しないので、親戚たちにはテキトーな対応をし続けた。おじいちゃんの絵は過去に2度描いたことがあって、それは葬儀会場に飾ってもらっていた。これがおじいちゃんを描く最後の機会になるんだなと思って、泣いた。

 

そして、完成。無事、おじいちゃんに似てくれた。本当に良かった……。葬儀会場に、過去に描いた2点の絵と並べて展示してもらった。それから棺に入れようかという話だったけれど、やっぱり残されたおばあちゃんの家に飾ろうということになった。フィキサチーフをかけていないから、鉛筆の線が消えたり擦れたりしそうだけど、まあいいや。もう集中力の限界。何も考えたくなかった。

 

(つづく)